Report Vol.13 Hitachi Juoh Matsuri

 

August 6th, 2017

【十王まつり】ウミウ捕獲場所で受け継がれていく徒歩(かち)鵜
http://www.rurubu.com/event/detail.aspx?ID=13378


2017年の鵜飼サミットに参加したときに、ここ十王町でも徒歩鵜を披露しているという話を聞き、早速調べてみた。

ウミウの捕獲場所である茨城県日立市十王町は捕獲した鵜を飼育している。

その鵜を使って年に1回の地元の夏祭りである「十王まつり」で十王川徒歩鵜漁伝統文化保存会の方が徒歩鵜を披露している。

 

JRを乗り継ぎ十王町に到着。まつりは当日の正午から始まっていて、夜8:30まで続く。

いわゆる地域の夏祭りなので、屋台が出て、ステージでの演舞、駅前通りでの踊り歩きなど賑やかな雰囲気。

 

そんな中、メイン会場から徒歩1分の十王川の東橋と川根橋の間にテントが張ってあり、保存会、関係者の方々が集まっている。

16:30から第1回目の徒歩鵜漁の披露が行われた。

二人の鵜匠(保存会メンバ。一人は今年から捕獲員として働いている方)が鵜匠っぽい格好(スタイルは石和に似ている)で川に入り

一羽の鵜を扱って川の魚を捕る。祭りのイベントでもあり集まった子供達は一斉に「魚下さーい」を連呼。

捕獲した魚を子供達に配る鵜匠。何とも微笑ましい光景がありました。

昼間なので、篝をもつこともなく手袋をはめた手で、鵜を泳がし、一匹取ったら吐かせるというパフォーマンスを15分程度続けて、1回目は終了。

終わったあと、少し話を伺うことが出来た。

・十王まつりは今年で28回目だが、鵜飼の披露は約20年くらい前から続けている

・使っている鵜は捕獲して、鵜の里で飼っている鵜

・訓練はしておらず、毎年ぶっつけ本番でやっている

・魚はイベントのために川に放している

・十王川では元々鵜飼が行われていた

 

2回目の披露は19:00からで、日も落ちかけて暗くなり始める丁度良い頃合い。

今年は山梨県の石和温泉から石和鵜飼の鵜匠さんが5人いらっしゃって、十王川で石和鵜飼の徒歩鵜を披露してくださるとのこと。

十王まつりで初めての試みだそう。今年は石和が鵜の体調問題で開催中止になったため石和の鵜匠としても今年唯一の披露となった。

 

・手綱の長さは大体6,7メートルから人によっては10メートルほどの人もいる

・彼らには師匠がいないので、独自にやっている。

・首結いや手綱(彼らはたづなと呼び、たなわではない)は木曽川の鵜飼から教えて貰って覚えた

・他の地域の鵜匠と話をする際もあまり詳しことは教えて貰えない

 

暗くなっていく中、石和の鵜匠さん達は火持ち(たいまつを持つ人)と鵜を扱う人のペアで二組が徒歩鵜会を披露。

集まった子供達はやはり「魚下さーい」の連呼。

初めての対応に戸惑いながらも優しく魚を配る鵜匠達。

 

微笑ましい鵜飼の披露の夜が過ぎていった。

 

リピートしたい度(ぎふ長良川鵜飼いを5)


■十王まつり
開催場所:茨城県日立市十王町(JR十王駅前)

開催期間:8月上旬の日曜日(2017年は8月6日)

料金:無料