Report Vol.00 Japan National Ukai Summit in Ozu
June 5th, 2017
鵜飼い文化を引き継ぎ全国の関係者が相互協力するとした宣言を採択した第22回全国鵜飼サミット
第20回までは毎年行われていた鵜飼サミットも21回の関大会から隔年実施となっています。
第22回は、観光鵜飼60周年となる愛媛県大洲市にて行われました。
鵜飼サミットは全国の鵜飼関係者の集まりで、色々な課題に対しての議論を行うイベントですが、一般向けのコンテンツも一部あり、
本サイト管理者も参加してきました(管理者出身は愛媛県)。
イベント全体のスケジュールは分かりませんが、一般向けのアジェンダは、愛媛が生んだ今最も毒舌な俳人「夏井いつき」さんによる俳句ライブ。
市民会館に集まったおよそ800人に即興で俳句を作らせ、そこから上位5句を選び、さらに1,2位を決めるというもの。
私も俳句を即興で作りましたが愛媛県人とは思えないくらいの駄作で、もちろん上位5句には選ばれませんでした。
鵜飼サミットにもかかわらず、上位5句のうち3個は鵜飼に関係ない句。
鵜飼に関係あるのは子供だけが乗った観覧船を詠んだ句と、昼鵜飼いを呼んだ句。
昼鵜飼いを詠んだ句があまりにも絶妙・的確すぎて、私は一瞬で共感しました。
夏井さんから「この句を褒める人はいないの?」との問いかけに思わず手を挙げてしまいました。
・夜川と昼川をよく見比べて、その違いがよく分かる人が詠んでいる
・日本では、大洲、木曽川、蟹江町(年1日の待ちの祭りで木曽川の出張鵜飼)でしか見ることができない昼川はとても貴重
・夜川とは違って、細かいところまでとてもよく見えるのが昼川の特長。とっても健全に見える(夜が不健全という訳ではないのですが)
といったところで「お前は何者だ」と問われたので「鵜飼愛好家です」と。
夏井さんのおかげで、会場には笑いも発生したので、結果オーライ。
その検証コメントとして、木曽川うかいの石原鵜匠から昼鵜飼の希少性、句の的確さを解説して頂きました。
本音を言うと、会場にいた鵜飼関係者に,自分の存在をアピールしたいというのもありました。
なので、「昼鵜飼」ではなくあえて「昼川」「夜川」という言葉を使いました。
鵜飼関係者の中に数人だけ知っている方がいらっしゃったので、その方には気づいて頂くことができました。
俳句ライブが盛り上がって終了したあと、以下の宣言が採択されました。
その全文を掲載します。
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サミット宣言
日本の自然な風景の中で育まれてきた伝統漁法鵜飼は、古より日本の文化として今日まで受け継がれてきました。
四国遍路の中で育まれたお接待の心と同様に、先人達が、守り育ててきた鵜飼文化を後世に伝えるべき財産として引き継いでいくことは
私たちに与えられた責務であります。
私たちは、本日、肱川の豊かな恵みを受けたこの大洲の地に集い、鵜飼の伝統と文化、伝えよう日本の心 をテーマに議論することで
今まで以上に深い絆で結ばれ、一致協力して鵜飼技術の継承に取り組み、そして日本の自然と環境、鮎の住む清流を守っていく決意を
新たにしました。
2020年に開催される東京オリンピック、パラリンピックは世界の人たちに鵜飼を知って頂く絶好の機会です。
世界中に鵜飼の文化を発信していくため、私たち鵜飼関係者は全国鵜飼サミットのシンボルマークの元、相互に協力し
○○(ここだけ聞き取れず・・・)をもって取り組んでいくことを宣言します。
平成29年6月5日 第22回全国鵜飼サミット大洲大会
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大会後は鵜飼関係者は歓迎イベント、鵜飼鑑賞と続きましたが、一般の人は鵜飼観覧船に乗ることができなかったので
近くの川魚料理店で飲食しながら高みの見物。
鵜飼鑑賞が終わった時間くらいから,関係者の二次会に混ぜて頂きました。
京都宇治川の鵜匠さん二人を含む鵜飼関係者、三次の鵜飼の鵜匠さん含むその関係者、そして錦帯橋う飼の船頭さんと観光協会の方と
歓談できたことは大きな想い出であり歓びでした。
宇治川関係者の中で鵜飼を研究されている方との出会いは大きな刺激と発見がありました。
一般の鵜飼愛好家ではありますがこのご縁、絆を大切にしていきたいと思います。
お付き合いくださった皆様に心より感謝申し上げます。
なお次回は2019年に京都の嵐山で開催されます。